「ゆれる」
これは・・・・
なかなか良くできてますね。
allcinemaによると
「「蛇イチゴ」で注目を集めた新鋭・西川美和監督が、オダギリジョーと香川照之という実力派2人を迎えて贈る上質のミステリー・ドラマ。ある出来事をきっかけに対照的な兄弟の間に巻き起こる心理的葛藤が巧みな構成で緊張感いっぱいに描かれてゆく。」
ということだけど、私は、卑近な日常の人間心理を、特殊な状況の中であぶり出したような映画だと思った。細やかな心理描写がひとつひとつ積み重ねられて行く様子は、情緒に流されることもなく、余白もあり、本当に「巧みな構成」。
ド素人がナンですが、一番に思ったのは、脚本がすごく良くできてるということ。音楽の使い方も良かった。
脚本を書いたのは監督さんで、当時30過ぎのこんな可愛い方とは・・・
俳優さんは、オダギリジョーと香川照之が見せてくれたというところでしょうが、
私、オダギリジョーは苦手ジャンルなのでパス;;;
香川照之の、正座して洗濯物をたたむ時の重ねた足の裏とか、橋の上で智恵子に邪険に振り払われた時のとんでもなく醜い顔、面会に来た弟に怒りを爆発させる時の瞬発力とか、好きだなぁ。
弟(オダギリ)が兄(香川)に、「ずっと尊敬してた。俺には(兄ちゃんみたいなこと)できない。」って言って、兄がつばを吐くところ、なかなか良かった。
尊敬?可笑しいよ。都合が良かっただけでしょ。できない?したくなかったからでしょ。
ちょっと兄になって、思った(苦笑
兄が間抜けなお人好しじゃなかったと知って、裁判で「正直な兄に戻って欲しい」と断罪する弟は、疚しさから解放されたんだろうか?
等々、色々思うことがあった。
心の底に、この兄弟のような気持ちがあるのは普通のような気がする。
ドラマは乾いたタッチで淡々と進んでいくけど、人を見つめる視線はどこか優しい気がした。
by ssSunny | 2009-07-26 02:10 | 好きなもの(映画)